モデルハウス来場者の方々からの感想⑥
「間取りのまとめ」
読者の方からモデルハウスの間取りの公開のリクエストがありましたので、間取りのコメントのまとめとして、詳細図ではありませんが簡単な平面図を公開します。快く承諾頂いた松尾設計室松尾和也さん、大変ありがとうございました。
平面図を実際見てみると、一瞬単なる真四角の家に見えてしまいます。しかし、じっくり見て考えてみると工夫の数々が見えてきます。
図面を見ながら、これまで(感想③~⑤)のおさらいをします。まず、玄関からもリビングからも入ることのできる使い勝手の良い4.5畳の和室があります。キッチン・洗面脱衣・お風呂が一直線に配置されていて家事動線が短いです。廊下からも洗面脱衣室に入れるようになっています。階段下の空間は3つに分かれていて、廊下、洗面脱衣室、リビングからそれぞれ使えるようになっています。子供部屋のロフト、小屋裏収納もあり、収納も充実しています。2Fバルコニーへは、どの部屋も通らず出ることができます。
広く感じる工夫もされています。空間の広さの感じ方は視線の抜ける距離が関係してきます。このプランは、キッチンの勝手口の辺りから和室の床の間まで視線が抜けるようになっています。また、縁側がある為、リビングが伸びているような印象も受けるようになっています。吹抜けもあり、垂直方向の広がりも感じることができるようになっています。
そして、これらのことを盛り込んだ上で、温熱的な工夫をされているのがこのプランのすごい所。南側の窓を大きく取り、その他の窓は風の通る程度に小さく抑えてあります。松尾さんの言葉を借りると、太陽に素直な設計(=パッシブデザイン)となっています。軒先がしっかり出ていて、これがあることで夏の日差しを遮りながら、冬の日射をしっかり取入れることができます。西面の窓には日射を遮蔽する為の、アウターシェードという現代版の簾のような物が取り付けてあります。
また、床下エアコンの暖気や小屋裏エアコンの冷気も吹抜けや階段の造り等の工夫により、全体に行きわたりやすい計画となっています。
4間×4間の中でこれだけの事ができるのです。
家の大きさを大きくして部屋を納めていくのは、誰にでもできてしまいます。しかし、無駄に大きい家は、使い勝手が悪くなります。燃費が悪くなります。工事費が高くなります。土地が広く必要になり、費用がかさみます。固定資産税が多く掛かります。
プランニングの工夫や温熱的な工夫(家中夏暑くなく、冬寒くなくすること)をすることにより、建物が小さくても広く、使い勝手良く暮らすことができます。余った敷地で庭を楽しむこともできます。
私達はこうした一つ一つの工夫を積み重ねて、健康的で暮らしやすい資産価値の高い住まいの提案をこれからもしていきます。