福井県の「タキナミ」さんのパッシブハウス「ミライブ」
いえらぼの池田雄一郎です。
今日の話題は先日簡単に紹介をさせて頂いた福井県の「タキナミ」さんの「ミライブ」(http://passive-fukui.jp/)についてです。
外観は瀧波社長が省エネ先進国ドイツへ視察に行った時に印象的だった住まいをベースに松尾さんに依頼したとのことです。木の外装にオレンジをアクセントにした組合せはとても印象的。お客さんに「オレンジの…」と言うと「あー分かります」と言われるほど、近隣ではシンボル的な建物になってきたそうです。私が訪れた時には、木が銀色に経年変色してきていました。その変色の仕方が、むらが少なくとても綺麗でした。これは、「軒」と「けらば」をわざと出していないことが功を奏していると感じました。ただ、このような納まりはしっかりとした防水の考え方と施工が必要となりますので安易にまねてもいけないと私は思います。お話をしていてタキナミさんは防水に関してもかなり気を使っている印象がありますので、しっかり施工できているのだと思います。
内部はブラックウォルナットの床と建具に壁がスペインしっくいの塗壁仕上げになっていて、高級感のあるシックな空間でした。
ドイツのパッシブハウス基準、暖房負荷15Kwhを切る性能を持つ「ミライブ」。この数値を出すことがいかに大変なことかは、燃費ナビを使っていると良く分かります。壁の断熱は内側、充填、外側の3重に入っています。そして、サッシはガデリウスのトリプル木製サッシ、エリートフンスターでUw=0.9。夏の遮熱に対しては外付け電動ブラインドやアウターシェードも付いていました。また、仕様だけではこの数値はなかなか出ません。パッシブデザインの設計(太陽に素直な設計)が必要で、ミライブでは一番大切な窓の設計は1cm単位で行われたそうです。
真冬の2月に私が訪れた時には、天気が良く日射量が多かったこともありますが、中の温度は25℃。床下エアコンは止まっていて、ほぼ無暖房な状態でした。このレベルの性能になると暖房に頼ることが少なくなり、環境にも健康にもとても優しいです。
ミライブの受賞したハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー2014審査委員特別賞は参加企業のうち一番性能が高かったからという理由とのことで、地域ビルダーとしては偉業と言える出来事であったと思います。
このようなすばらしい旗印のもとに、これからも「タキナミ」さんは「健康で快適な省エネ住宅」の普及に尽力していくことと思います。また皆さんとお会いして情報交換できることを楽しみにしています。ありがとうございました。