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あたたかく健康な住まい③「断熱性能を上げることで費用負担が増えるのでは?」

Date:2015.3.08 / Category:

使う断熱材の量が増えたり、高性能な窓等を使ったりしますので、その分のイニシャルコスト(初期費用)は上がります。反対に、ランニングコスト(維持費用)は、光熱費を抑えられますし、暖房器具の設置数を減らすことができますので削減することができます。下図を見ると、等級(断熱性能)が上がれば上がる程暖房費は下がることが分かります。また、諸症状の改善で医療費も低減すると考えると15年程度で掛けた費用を回収できるという調査結果も出ています。

日本ではこれまで、部屋ごとに必要な時に暖房器具で室内を暖かくする暮らし(各室間欠採暖)が当たり前でした。しかし、このやり方では暖房している部屋とそうでない部屋で大きな温度差が生まれてしまいます。健康の為には、家の中で温度差の無い暖かい家にすることが大切です。これからは、家の断熱をしっかりと施し、最小限の暖房器具で室内を一定温度に保つ「全館空調方式」にすることをお勧め致します。特に床下にエアコンの暖気を送り込んで家中を温める方法は、現在、最もコストパフォーマンスに優れた暖房方式だと考えています(詳しくはまた)。

Page0001 (7) (出所)岩前篤教授 断熱と暖房・採暖費

参考文献 建築知識ジャパンホームショー2014[特別号]近畿大学岩前篤教授記事

       健康を支える暮らしと住まい~間違っていた「夏向けの家」~近畿大学岩前篤教授セミナー資料

       日本経済新聞2015年1月6日記事「日本の住宅、なぜ寒いの?」

       厚生労働省人口動態統計

※研究結果等の公開については岩前教授より、承諾を得て行っております。