暮らしの窓

オーナー様をたずねて

田園風景の移ろいを楽しむ、のびやかな住まい

初夏、青々とした稲が風にそよぎ、どこまでも続く田園風景。

その一角に、S様ご夫妻の住まいは静かに佇んでいます。
季節とともに変化する景色に囲まれたこの家での暮らしについて、お話を伺いました。

「元々家が欲しいと思っていたんです。」

そう語るご主人は、以前はアパートで生活されていたそうです。
自由に庭づくりや畑を楽しむことも難しく、室温の変化も大きい賃貸暮らしには、どこか窮屈さを感じていたといいます。

「せっかく建てるなら、急がず後悔しない家づくりをしたい。」と、ご夫婦は理想の住まいを求め、何度も様々な見学会に足を運ばれました。

無垢材を使い、暮らしの快適さを兼ね備えた家。
そんな思いにぴたりと寄り添う会社に中々巡り合えずにいたころ、奥様がご友人と訪れた「かきがわひらき」で、ナカジマアトリエの建物やパンフレットに触れ、「ここなら」と感じてくださったことが、始まりの一歩でした。

毎回多くの方にご来場いただいていた『かきがわひらき』(2020秋~2025春)。ナカジマアトリエも会場の一つとして様々な出店がされていました。

そしてもう一つ、お二人が心惹かれた理由として挙げられたのが、「Ua値等の具体的な住宅性能に関する指標が公開されていたことでした。」とご主人。
実際に2度目に訪れた当社の見学会の時点で、LLSでの住まいづくりを具体的に思い描かれていたそうです。

当時様々な見学会に訪れた時の記録や、当社での設計打ち合わせ内容などをまとめたノート。分かりやすいようにと一部イラストも添えられており、真剣に家づくりをされていたことが伺えます。


自然と寄り添う、風景を楽しむ家

 

家を建てる際に早い段階で考えなければならないのが“場所”。S様が建築地に選ばれたのは、ご主人のご実家の畑を譲り受けた土地。

ご主人は当初、「もっと利便性の高い場所が良いのでは?」と迷われていたそうですが、「最初にこの場所に訪れた時に、田んぼの風景に惚れ込んで。ここで家を建てるのも素敵だなと思ったんです。」と、奥様の希望もあり、この土地で暮らすことを決められました。

お住まいの目の前に広がる山々と田んぼ。のどかな時間を満喫できる、最高の佳景。(S様ご提供写真)

冬は周り一面が雪景色に。その様子を撮影し、他県のご親戚にも共有されているのだとか。(S様ご提供写真)

「四季をダイレクトに感じられる住まい」とお二人は語られ、周りの環境はもちろんのこと、お庭の植物も春夏秋冬を楽しむ一つのポイントに。

周りの環境とも自然と緑が繋がり、より心地よい町並みに。外壁の「そとん壁」も良いアクセントに。

庭づくりもまた、暮らしの一部。はじめはご夫婦で挑戦しようとされましたが、思いのほか固い土に四苦八苦し、プロの力を借りて進めることに。

夏は花が咲き、秋は紅葉を楽しめるようにしたいと造園屋さんに依頼をし、打合せを重ねながら季節ごとに彩りが変わる庭が完成しました。

手がけたのはLLSでいつもお世話になっている新潟市の『とみい造景』さん。手前の百日紅はなんととみいさんのお庭から譲り受けたもの!開花の季節には淡い色の綺麗な花を咲かせるそうです。

最近は自分たちでもチューリップを植えたり芝生の手入れをしたり、一部残しておいた畑に作物を植える等「想像よりも手間もかからず、土いじりを楽しめています。」とお話されていました。


日常に上質なゆとりをもたらす、新しい住まい

 

引き渡しから約2年が経った今、暮らしはどう変わったのでしょうか。

「以前は“これで良いか”で選んでいた家具や食器も、今はじっくり選ぶようになりました」とお二人。観葉植物を育てるようになったり、日々の道具にも愛着を持つようになったりと、より豊かで丁寧な暮らしが根付き始めています。

ダイニングテーブルは、自社大工が手掛けた造作家具「わざわ座」の一品。既製品も検討されていた中で、住まいに最もしっくりと馴染むこの一台に決められました。

ダイニングの横には、以前のお住まいから使われていた奥様の電子ピアノを置くスペースが確保されています。

「アパートではないのでペダルを踏む音を気にせず、いつでも演奏できています!」と、日常的に音楽のある生活を楽しまれていました。

階段下を利用したピアノスペース。

「ここで黙々と作業するのが好きです。」と次に奥様が語られたのは、造作のカウンタースペース。
お仕事の都合で手芸などをすることが多く、前のアパートでは食事のたびに作業を中断してテーブルの上を片付け、作業を再開する際にまた材料を広げ…という流れに不便さを感じられていたのだとか。
今ではこの場所があるおかげで集中してモノづくりに励まれていると笑顔で教えてくださいました。

お裁縫道具や本などが置かれています。飾られているトートバックには様々なジブリ作品のキャラクターたちが刺繍されており、奥様の手先の器用さが表れています。

夏の暑さ、冬の寒さも、以前と比べて驚くほど快適になったとのこと。

「昔は寒い時期にお風呂に入るときは、運動して体を温めてから脱衣所に向かっていました(笑)」とお話されていましたが、今はそのようなこともなく、冬は雪が積もっていることに気が付かないくらいに暖かく過ごされているそうです。

将来的に個室としても使えるように設計したひらけた2階のスペース。現在はお二人のもう一つの寝室として使われており、特に夏の季節は涼しく快適に感じるとのことです。


想いを重ね、時を紡いだ、理想の空間

 

お住まいの南側には、外の風景を絵のように切り取る大きな窓。自然と一体となるような空間設計が、S様邸の魅力です。

窓の向こうの風景も、家の一部に。

その他にも、ご夫婦のこだわりである「小上がり和室」「縁側」「書斎スペース」は、どれも丁寧に考え抜かれた場所。

「小上がり和室は、昔母が憧れていたことも影響して造ってみたいと思っていたんです。」と奥様。
今は主に来客スペースとして活用されているそうで、「今後は小さなテーブルを用意して、ここでおやつを食べながら外の景色を楽しみたいなと考えています!」と、これからの心躍るような計画を聞かせていただきました。

リビングとキッチンに面するように造られた小上がり和室。ロールスクリーンと引き戸を閉めれば仕切られた空間に早変わり。

ちょうど目の前に庭スペースが来るように設計されています。

ロールスクリーンを上げているときは、和室を通してキッチンからも景色が楽しめるように。

リビングダイニングと小上がりスペースを外に繋ぐようにして設置された縁側では、春にパンを食べながらピクニックをしたり、夏には畑で収穫した枝豆を剥いたり、お祭りの花火を眺めたり。時にはタヌキと遭遇するなど、日常の小さな思い出を育まれている様子でした。

きっとこれからも様々な活躍を見せてくれる場所に。

そして2階のご主人の書斎には、趣味のプラモデルや本、バードウォッチング用のカメラが整然と並び、眺めるだけでワクワクするような空間が作り上げられていました。

3帖ほどの広さ。ご主人自らサイズなどを綿密に考えたコレクション用の棚や造作の作業机もあり、机の上には制作に約半年ほどかけたプラモデルが。

別の棚にはプラモデル商品と一緒に、カブトムシとクワガタが飼育されていました。

カブトムシもクワガタも夏をイメージする昆虫ですが、実は案外暑さに弱く、育てるには適切な温度管理が大事。
ご主人曰く、「家の温度が快適に保たれているので飼育しやすいですね。」とのこと。まさに、“人にも生き物にもやさしい家”を体現されていました。

とても元気なクワガタ!

ご主人愛用の一眼レフ。こちらを使用して撮影された美しい鳥の写真は、階段に飾られていました。

家づくり全体の思い出を振り返ってみての感想を伺ったところ、「予算内での計画や土地に関することなど大変だと思うこともありましたが、自分たちで細かいところまで好きなように決められて、理想の住まいが叶う過程がとても楽しかったです。」そう和やかなお二人の表情が印象的で、まるで四季の風がそっと吹き抜けるような、穏やかで温かな取材となりました。


あとがき

 

この度は取材にご協力いただき、誠にありがとうございました。
充実した暮らしを送られている様子が伺え、紹介しきれないほどの沢山のエピソードを伺うことができ、とても楽しく取材をさせていただきました!
そして、「池田組さんで建てて良かった」とおっしゃっていただけたことが、取材した私自身にとっても何より嬉しい瞬間でした。今後もS様ご夫婦の素敵な思い出がお住まいを通して紡がれていくことを楽しみにしています!
(広報:吉井)

 

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